社長コラム(第41号 2026年6月)

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マンダラチャート

皆さん、こんにちは。
実は年初に、私自身のマンダラチャートを書いてみました。皆さんはご存じでしょうか。
年始は伝えたいテーマが多く、この話をする機会がありませんでしたが、今月で上期が終わり、下期へ移るこのタイミングで、あらためて触れてみたいと思います。

マンダラチャートとは、中心に大きな目標を置き、それを実現するために必要な要素を周囲に分解し、さらに具体的な行動へ落とし込んでいくものです。年初に目標を考える際などに使われることが多く、大リーグで活躍している大谷翔平選手が高校生のときに書いていたことでもよく知られています。ネットで検索すると、実物もすぐに見ることができます。

大切なのは、目標を書くこと自体ではありません。
「こうなりたい」という思いを、具体的に何をするのか、どの習慣を変えるのか、どの行動を続けるのかまで分解することです。
目標は、頭の中にあるだけでは実現しません。
紙に書き出し、見える形にし、日々の行動とつなげて初めて意味を持ちます。
マンダラチャートを書いてみて、私が改めて感じたのは、時間の大切さです。

時間の大切さ

私自身、52歳にさしかかり、最近あらためて「時間の価値」を強く感じるようになりました。若い頃は、時間はまだ十分にあるものだと思っていたように思います。多少遠回りをしても、やり直せばよい。あとから取り返せばよい。そう考えることもできました。

しかし年齢を重ねるにつれて、時間は無限ではないという当たり前のことを、より現実感を持って感じるようになります。

私の場合、現在52歳です。男性の健康寿命を73歳前後、平均寿命を81歳前後と考えると、健康に動ける時間はあと約22年、人生全体でもあと約30年ということになります。

こうして実際に数字にしてみると、時間の貴重さをあらためて実感します。
若い頃は、30年という時間はとても長く感じました。しかし、52歳になった今、30年は決して長い時間ではありません。まして、健康に動ける時間となると、さらに限られています。

お金は増やすことができても、過ぎた時間を取り戻すことはできません。だからこそ、何に時間を使うのか、誰と時間を過ごすのか、どの仕事に集中するのかが、以前よりもずっと重要になってきています。

これは、個人の人生だけでなく、会社経営にも同じことが言えます。
会議の時間、現場での待ち時間、確認不足による手戻り、不具合対応に追われる時間、曖昧な指示によって迷う時間。これらはすべて、会社にとって大切な時間の損失です。

一人ひとりの時間は、その人の人生そのものです。会社としても、社員の時間を無駄にしない仕事の進め方を考えなければなりません。目的のはっきりしない会議、何度もやり直す資料、誰が決めるのか分からない案件、情報共有不足による手戻り。こうしたものを減らすことは、単なる効率化ではなく、社員の時間を大切にすることでもあります。

工場では組織変更を行い、新体制へ移行します。新たにTさんに工場長を担ってもらうことにしました。
この人事については、任命責任もあるため、私自身もあれこれ悩みました。周囲の従業員にも直接ヒアリングを行い、いろいろな意見を聞きました。その中で、最終的に私の中で大きな決め手になったのは、ある従業員の「Tさんは時間を無駄にしない人です」という言葉でした。

もちろん、有効な時間、無駄な時間の線引きは、人によって違います。何を大切にするか、どこに時間をかけるべきかは、それぞれの立場や価値観によっても変わります。
それでも、その言葉には非常に納得感がありました。

工場運営において、時間を無駄にしないことはとても重要です。納期、品質、安全、人材育成、改善活動。どれも限られた時間の中で進めていかなければなりません。
目的のはっきりしない会議、曖昧な指示による手戻り、判断の先送り、情報共有不足による待ち時間。
こうした時間のロスを減らしていくことが、現場力を高めることにつながります。

私自身も、時間を無駄にしないことは日頃から意識しています。
それは、大きなことだけではありません。

会議と会議の間はできるだけ素早く動く。
ベッドに入ったらスマホは見ず、すぐ目を閉じる。
移動中や隙間時間の使い方を考える。

どれも細かいことですが、こうした自分なりのルールの積み重ねが、時間の使い方に表れるのだと思います。

よく例え話として、エレベーターに乗ったときに、先に階数ボタンを押すか、先に閉じるボタンを押すか、という話があります。私はどちらかというと、先に閉じるボタンを押すタイプです。そこにも、その人の性格や時間に対する考え方が出るのかもしれません。

もちろん、自分が先にエレベーターから降りるという意味ではありません。
ただし、誤解してほしくないのは、時間を大切にすることと、人を急かすことは違うということです。
人の話を聞く時間、教育する時間、現場を確認する時間、安全について立ち止まる時間。これらは決して無駄な時間ではありません。むしろ、会社にとって必要な時間です。
減らすべきなのは、目的のない時間、責任が曖昧な時間、決めるべきことを決めないまま過ぎていく時間です。

タスク管理

私自身、一日のタスクはできるだけメモに書き出すようにしています。
もちろん、仕事をしていれば想定外のことは必ず起こります。急な相談、トラブル対応、予定外の判断事項など、計画通りに進まないことも多くあります。それでも、まずはその日にやるべきことを書き出し、優先順位をつけ、完了したものから消し込んでいくようにしています。

これの何がよいのか。

それは、一つのタスクが終わったときに、「次に何をやるか」を毎回考えなくてよくなることです。
人は意外と、仕事そのものよりも、次に何をするかを考える時間や、迷っている時間でエネルギーを使っています。やるべきことが見えていないと、目の前のメールや頼まれごとに流されやすくなります。結果として、本当に大切な仕事が後回しになってしまうことがあります。

タスクを書き出すことは、単なるメモではありません。限られた時間を何に使うかを、自分で決めることです。
もちろん、突発事項があれば臨機応変に対応します。計画にこだわりすぎて、必要な対応が遅れては意味がありません。

しかし、最初に自分の中で優先順位を持っておくことで、突発事項が起きたときにも、何を動かし、何を後ろに回すのかを判断しやすくなります。

仕事の時間を大切にするというのは、常に急いで動くことではありません。
迷う時間を減らすこと。後回しを減らすこと。やるべきことを見える形にすること。
そして、終わったものを一つひとつ確実に消し込んでいくこと。
こうした小さな習慣の積み重ねが、結果として仕事の質とスピードを高めていくのだと思います。

意思決定

また、意思決定についても同じです。
私自身、立場上、意思決定はできるだけ早く行うことを心がけています。
もちろん、すべてを深く考えずに即断すればよいという意味ではありません。

重大なリスクを伴う判断や、一度決めると簡単に戻せない判断については、必要な情報を集め、慎重に考えるべきです。
しかし、現場で日々発生する多くの判断について、経営者や管理者が決めるべきことを決めずに止めてしまうことは、会社全体の大きなロスになります。

ボトルネックは、生産工程だけにあるものではありません。
経営層、管理者、間接部門、営業、技術、品質、生産管理。どの部門でも、判断が止まれば仕事は止まります。誰かの確認待ち、誰かの承認待ち、誰が決めるのか分からない状態。その時間が積み重なると、現場のスピードも、改善のスピードも、会社全体の成長も遅くなります。

管理者の役割は、すべてを自分で抱えることではありません。必要な情報を集め、判断基準を示し、決めるべきことを決め、次の人が動ける状態をつくることです。

判断が遅い組織では、現場が迷います。
判断が曖昧な組織では、責任がぼやけます。
判断が先送りされる組織では、問題が大きくなります。

だからこそ、下期は「誰が決めるのか」「いつまでに決めるのか」「何を基準に決めるのか」を、より明確にしていきたいと思います。

最後に

時間を大切にするということは、単に急ぐことではありません。迷う時間を減らし、止まっている時間を減らし、次の人が動ける状態を早くつくることです。

経営層も、管理者も、間接部門も、自分自身が仕事の流れを止めるボトルネックになっていないか。
そこを常に意識していきたいと思います。

おわり

西川

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