社長コラム(第39号 2026年4月)

  • 社長コラム

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世界情勢

皆さん、こんにちは。日々の業務、本当にお疲れさまです。

足元の世界情勢を見ますと、先行きの見えない状況が続いています。中東リスクは依然として収束の道筋が見えず、アメリカ経済についても軟着陸していくのではないかという見方はありますが、実際にどうなるかは誰にも分かりません。

また、円安の動きも続いており、私たちの事業にも原材料価格や調達リスクなど、さまざまな形で影響を及ぼしています。ロシア・ウクライナ戦争も、以前ほど大きく報道される機会は減っているものの、今なお継続しています。

その一方で、株式市場では株価が高値圏で推移しており、その主なけん引役となっているのが半導体関連銘柄です。AIの急速な進歩、さらにはフィジカルAIへの展開など、どの企業・どの国が次の時代の覇権を握るのか、世界中でしのぎを削っている状況については、皆さんも日々のニュースなどで感じていることと思います。

このような環境変化の中で、私たちも変化を敏感にキャッチし、迅速かつ柔軟に対応していかなければなりません。変化に対応できなければ、いつの間にか淘汰されていく時代です。

少し大げさな例かもしれませんが、恐竜の絶滅も、隕石の衝突による急激な環境変化に対応できなかったことが大きな要因の一つであると言われています。もちろん諸説はありますが、どれだけ大きく、強い存在であっても、環境が大きく変わったときに適応できなければ、生き残ることはできません。

少し自身の昔話

ここで少し、私自身の昔話をします。
小学生か中学生の頃だったと思います。祖父母の家に行ったときに、祖父母から「かずくんは、人に合わせるのができる子だからなあ」と言われたことがありました。
今思えば、褒め言葉だったのかもしれません。しかし当時の私にとっては、それがすごくコンプレックスでした。自分自身のことを、優柔不断で、芯がない性格だと思っていたからです。
親からも「あんたは人に流されやすい」とよく言われていました。それどころか、「あんたはタコみたいにふにゃふにゃしている」とまで言われていた記憶があります。
見かねた親が、小学生だった私をなぜか町の空手道場に入れたくらいですから、親から見ても、私自身としても、それなりに気にしていたのだと思います。

しかし、当時は短所だと思っていたことも、今では長所だったのではないかと思っています。タコは柔らかく、変幻自在に形を変えることができます。そう考えると、環境に合わせて自分をしなやかに変えていくことも、一つの強さなのかもしれません。

相手がこういう状況なら、自分はどう動くべきか。環境がこう変わったのであれば、自分はどのような手を打つべきか。ビジネスをする中で、そう考えるようになりました。
人に合わせるということは、単に流されることではありません。相手や環境の変化を受け止めたうえで、自分なりに考え、次の一手を打つことでもあります。変化に対応する力とは、もしかすると、そういうことなのかもしれません。

企業内環境変化

これは企業にも当てはまります。過去の成功体験や、これまでのやり方にこだわりすぎると、気づいたときには時代から取り残されてしまいます。だからこそ、私たちは変化を恐れるのではなく、前向きに受け止め、自分たちも進化していく必要があります。
また、変化への対応という意味では、外部環境だけを見ていればよいわけではありません。社内にも、常に変化があります。

私は立場上、組織のボトルネックは何か、どこにあるのかを常に見るようにしています。社内の会議での発言、財務的な数値、現場での肌感覚、日々のちょっとした会話の中から、それを察知するように心掛けています。
工場の工程で言えば、仕掛在庫が積み上がっているところは、分かりやすいボトルネックです。残業が多い部署も、何らかの負荷が偏っている可能性があります。不平不満が出ているところにも、何らかのひずみがあると考えるべきです。

ボトルネックには、数字として見えるものもあれば、現場の雰囲気や会話の中から感じ取るものもあります。大切なのは、そうした小さな兆候を見逃さず、丁寧に対応していくことです。それが、受注、発注、生産、出荷、品質対応といった一連の流れ、つまりスループットを整流化していく近道だと思っています。

ただし、ボトルネックへの対応は一度やれば終わりではありません。ある意味では、いたちごっこであり、もぐらたたきのようなものです。一つを解消すれば、また別のところにひずみが出ることがあります。

だからこそ、常に状況の変化を見続け、早めに気づき、早めに手を打つことが重要です。これは、中東リスクや為替、AIの進化といった外部要因の変化とは別の、社内における内部要因の変化への対応です。
こうした内部要因の変化を察知することは、決して私だけの役割ではありません。

部長、課長、係長といった役職を持つ皆さんには、自分の現在の立場だけで物事を見るのではなく、さらに二段階くらい上の立場を想定して、俯瞰して物事を見てほしいと思っています。
係長であれば課長や部長の視点で、課長であれば部長や役員の視点で、部長であれば経営全体の視点で、今起きている問題は何か、どこにひずみが出ているのか、このまま放置するとどうなるのかを考える。
そのうえで、単に不平不満を言うのではなく、問題提起をし、具体的な対処につなげていくことが大切です。
役職とは、単なる肩書きではありません。自分の担当範囲を守るだけでもありません。組織全体の流れを良くするために、少し高い視点から状況を捉え、必要な行動を起こす責任でもあります。

もちろん、すべてを一人で解決する必要はありません。しかし、「これは自分の範囲ではない」「上が考えることだ」と線を引くのではなく、一段、二段高い視点で考え、気づいたことを発信していく。その積み重ねが、組織の成長につながっていきます。

多くの組織において、Playing(実務遂行力)に優れた人材が多い一方で、Managing(管理・マネジメント力)には発展の余地があるという構造が見られます。これは決して否定的な状況ではありません。むしろ、質の高いマネジメントは、現場の実務を理解していることを前提に成り立つため、実務力の高さは大きな強みといえます。

実務を理解しないまま管理だけを行おうとすると、判断の精度が下がり、組織を望まない方向へ導いてしまうリスクがあります。 そのため、まず実務に精通した人材が存在することは、組織にとって重要な基盤となります。

次のステップとして求められるのは、その実務力を土台にしながら、より高い視座で物事を捉え、管理・マネジメント力を段階的に高めていくことです。実務を理解したうえでマネジメントができる人材が増えることで、組織全体の判断力や推進力は大きく向上します。

重要なのは、「実務か管理か」という二者択一ではなく、 “実務を理解したうえで管理できる人材”を育てることが、組織の持続的な進化につながるという点です。

最後に

「現状がこうだから仕方がない」と不満を言っている暇はありません。また、「昭和や平成のころは良かった」と昔を懐かしんでばかりいる場合でもありません。

これからの時代は、予測がますます難しくなります。だからこそ、必要なのは悲観ではなく、前向きに行動することです。つまり、ポジティブに考え、ポジティブに動くことです。

ぜひ皆さんにも、日々の仕事や生活の中で、
「自分は何を実現したいのか」
「自分には何ができるのか」
と自問自答してほしいと思います。

まわりがどうだ、あの人がどうだ、彼がどうだ、彼女がどうだ、という話ではありません。まずは自分自身が何を考え、何を行動に移すのかが大切です。

自分の持ち場で、目の前の仕事に誠実に向き合い、まわりの人のために行動する。その積み重ねが、仕事の成果につながり、人としての信頼にもつながっていきます。
信頼は一日で得られるものではありません。日々の言動、行動、姿勢の積み重ねによって築かれるものです。

進化とは、特別な人だけがするものではありません。日々の仕事の中で、昨日より少し良くする。昨日より少し考える。昨日より少し行動する。その小さな積み重ねが、個人の進化となり、部署の進化となり、会社全体の進化につながっていきます。

外の変化にも敏感であること。
そして、内側の変化にも敏感であること。

この両方が、これからの時代に会社が進化していくために欠かせない姿勢だと思います。

5月もポジティブに行きましょう!

おわり
西川

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