- 社長コラム
社長コラム(第34号 2025年11月)
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株式会社ニチベイパーツのグラファイトシートは高い熱伝導率を保持したまま屈曲性、柔軟性に優れているため様々な要望に対して臨機応変に対応可能
グラファイトシートは、グラファイトを薄いシート状に加工したものです。グラファイトは炭素の同素体であり、特にシートの平面方向において非常に高い熱伝導率を持ちます。
このグラファイトシートは、主に放熱シートとして利用され、コンピューターのCPUや電子機器の冷却に広く使用されています。近年では、大手カメラメーカーの製品にも広く採用され、精密機器に欠かせない部品となっています。
特に、温暖化が進む昨今では放熱部材の重要性がさらに高まっており、夏季に行われるアウトドアスポーツなどのイベント時に精密機器を長時間使用すると、熱暴走のリスクが増大します。
プロシーンでは、決定的瞬間を逃さないためにも、この問題は無視できない課題となっています。
ニチベイパーツのグラファイトシートはダイヤモンドに次いで熱伝導率が高く、アルミの3倍~5倍、銅の2~3倍の熱伝導率を有し、屈曲性、柔軟性を持たせた積層構造は最大積層実績10層になります。
グラファイトシートは、ポリイミドという素材を高温で炭化させた後プレス機で圧縮して分子の密度を高めることで、熱伝導率の高い部材となります。
ただし、グラファイトシート1層が蓄積できる熱容量には限界があるため、一度により多くの熱を放熱するためには、層の厚いグラファイトシートが必要です。一般的に他社では2~3層が限界とされていますが、ニチベイパーツのグラファイトシートは10層まで対応可能で、より高い熱伝導率を実現しています。
パウチとは、薄いPETフィルムで素材を挟み、密着させることを指します。オフセットとは、この密着時に生じるフィルムの密着幅のことを意味します。パウチしたPETフィルムの密着幅が大きいと、その分だけグラファイトシートの有効面積が減少します。
例えば、10mm幅のグラファイトシートの場合、両端でそれぞれ0.3mmの密着幅があると、シートの有効幅は9.4mmとなります。しかし、密着幅が0.8mmになると、有効幅は8.4mmとなり、1mm分のグラファイトシートが失われます。この減少により、熱伝導率に損失が生じる可能性があります。
1mmの差が製品の性能に大きく影響するため様々な企業から信頼される要因になっています。


ニチベイパーツでは人工、天然素材ともに対応可能であり様々な要望にお応えできる技術も合わせ持っています。人工素材の場合熱伝導率が高く厚みが少ないため狭いスペースに有効活用でき、天然素材は人工素材と比較し熱伝導率が低い代わりに価格が安価なためコスト削減できるというメリットがあります。
スマートフォン、ミラーレス一眼カメラ、医療用カメラ、車載カメラ、テレビ、パソコン、
OLED(Organic Light Emitting Diode)などあらゆる業界、商品に使用されています。
従来のグラファイトシートには屈曲性に課題がありました。固いグラファイトシートは、曲げるとすぐに割れてしまい、分子が破壊されることで熱伝導率が低下してしまいます。そのため、曲げても割れないグラファイトシートを開発する必要がありました。屈曲性が乏しいことは、積層する際にさらに曲げづらくする要因となり、2~3層に重ねるのが限界となる問題もありました。このため、重ねるほど放熱効果が高まるグラファイトシートのポテンシャルを十分に活かすため、様々な試行錯誤が行われました。
様々な材料メーカーから柔軟性のあるグラファイトシートを作成できるメーカーを発見。テクニカルチームの努力が実り得意先から強く要望のあった曲げても熱伝導率が落ちないグラファイトシートを加工することに成功しました。90度に曲げても割れることがないグラファイトシートは様々な製品に採用可能なこともあり今ではこのグラファイトシート以外使えないと言っていただけるまでに。
ニチベイパーツが誇るグラファイトシート加工技術の中でも、特に注目すべきは「パウチ」技術です。パウチとは、グラファイトシートをPETフィルムで挟み込み、密着させる加工方法であり、製品の性能を左右する重要な工程です。パウチ加工によって、グラファイトシートの保護性が向上し、耐久性や取り扱いのしやすさが飛躍的に高まります。
パウチ技術の精度は、熱伝導率の維持にも直結します。ニチベイパーツでは、パウチオフセット量を0.3mmに抑えることで、グラファイトシートの有効面積を最大限に活用しています。このような高精度なパウチ加工は、他社では実現が難しく、ニチベイパーツならではの強みです。
また、パウチ加工は、スマートフォンやカメラなどの精密機器においても不可欠です。パウチされたグラファイトシートは、機器内部の限られたスペースでも高い放熱性能を発揮し、熱暴走を防ぐ役割を果たします。
さらに、パウチ技術は、人工素材・天然素材の両方に対応可能であり、用途に応じた柔軟な選択が可能です。人工素材をパウチすることで、高熱伝導率を維持しつつ、薄型化を実現できます。一方、天然素材のパウチはコスト面でのメリットがあり、量産品にも適しています。
ニチベイパーツでは、パウチ加工の技術開発にも力を入れており、今後はさらに多層構造への対応や、異素材との複合パウチにも取り組む予定です。パウチ技術の進化は、グラファイトシートの可能性を広げ、より多くの業界での活用を促進するでしょう。
このように、パウチは単なる加工技術ではなく、製品の性能・信頼性・コスト効率を左右する重要な要素です。ニチベイパーツのパウチ技術は、今後も業界をリードする存在として、さらなる発展が期待されています。
現在は過去の実績が評価され多種多様な業界からご依頼いただけるようになりました。グラファイトシートを活用する場面は自動車、カメラ業界にとどまらず半導体設備のような分野でも必要とされてきており技術開発や市場環境の変化を注視し、積極的に取り組みを進めることが重要と考えています。
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